手放す勇気、支え合う力(当事者支援部 広島)

令和7年10月12日(日)、広島市東区民文化センターにて「全国ギャンブル依存症家族の会 広島」が開催されました。

まず、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 当事者支援部の体験談が語られました。若い頃からのギャンブルとの関わり、繰り返す借金や嘘、そして「自分の力ではやめられない」と気づくまでの苦しみが率直に語られました。しかしその中で、メンバーとの出会いや支援のつながりを通じて「自分のやり方を手放し、支えを受け入れる」経験を重ねていったことが紹介され、会場の多くの人が静かに頷いていました。現在では、自身の経験を生かし、同じように苦しむメンバーのサポートや相談活動に取り組んでいるそうです。

続いての家族体験談では、夫のギャンブル問題を前に、なかなか自分の問題として向き合えなかった日々、そして夫の施設入寮を経て、自身の内面と向き合うようになっていった姿が印象的でした。「相手を変えようとするのではなく、自分とどう向き合うか」。その言葉には、家族としての回復の道のりが凝縮されていました。また、支援部と家族会が連携し、当事者を施設入寮へと導いた事例も紹介されました。家族会と支援部が同じ方向を見て協力することが、当事者の回復にどれほど大きな力となるかを実感できる内容でした。

後半は別室に移動し、当事者会を実施しました。初参加のメンバーを交え、自己紹介の後、依存症の理解と回復への取り組みについて、それぞれの経験をもとに共有しました。新しいメンバーからは、お金の問題や回復の進め方についての相談があり、経験者からは日々の取組みについてアドバイスがありました。それぞれが自分の経験を話し、聴き合う時間は、まさに「ひとりではない」と感じられるひとときでした。愛媛から続けて参加したメンバーをはじめ、広島の会場に集まったすべての方々の思いが温かく交わる時間となりました。

当事者も家族も、それぞれの立場で回復に向き合い、支え合う。そのつながりの中で、新しい生き方を見つけていく姿に、大きな希望を感じる一日でした。

次回の広島当事者会は、11月16日(日)に広島市東区民文化センターで開催予定です。初めての方も安心してご参加いただけます。どうぞお気軽にお越しください。

当事者支援部