熱気あるセミナー(当事者支援部 大阪)

2025年11月24日(祝)大阪私学会館にてセミナーと相談会が開催され、多くの方々に参加いただきました。議員の先生方にもご出席いただき、ギャンブル依存症をめぐる課題について、さまざまな立場から学び合う貴重な機会となりました。

セミナーの前半では、まず家族の体験談が共有されました。苦しみの渦中にあったとき、家族会のメンバーが寄り添い、伴走してくれたことがどれほど心強かったかという率直な話が印象的でした。家族会のピアサポートが、具体的な行動につながり、問題解決への一歩になるということが伝わる内容でした。

続いて、東京の支援部メンバーによる当事者体験談が語られました。FXによる投資・投機で横領にまで至ってしまった経緯、そして依存症特有の「否認」や「病識の希薄さ」について、正直な思いを聞きました。とくに、「もし病気について知らずにいたら、きっと同じことを繰り返していたと思う」という言葉が強く胸に残りました。自助グループの場では、同じ問題を抱える仲間に出会い、深い共感を得られること、そして“知る”ことが、ギャンブル依存症からの回復への入口になるという大切なメッセージが伝えられました。

その後、関西医科大学の池田先生による講演が行われました。依存症とはどのような病気かについて、イラストを交えながらのとても分かりやすい説明でした。イネイブリングの問題や治療の中で大切にしていること、多様性を認める姿勢など、専門的な内容を丁寧に伝えてくださり、学びの深い時間となりました。

最後に、(公社)ギャンブル依存症問題を考える会の田中代表による講演がありました。回復を支える仕組みづくりの重要性や、当事者をどのように導くのかという実践的な手法、さらに昨今の深刻な状況と大阪の医療体制が他地域に比べて遅れている課題など、現場を知る立場から力強いメッセージが語られました。会場全体が引き締まるような熱のこもった講演でした。

セミナー終了後は別室で当事者相談会を行い、初めて参加した方を中心に丁寧な聞き取りを行い、個別の状況に応じた提案やアドバイスを伝えました。苦しい状況の中で勇気を出して参加した方からは、「来てよかった」「解決の糸口が見えた」という声も寄せられました。

今回のセミナーと相談会は、当事者、家族、支援者、専門家が同じ場でつながり、学びを共有する貴重な時間となりました。ともに回復を目指すための一歩として、今後もこうした取り組みを続けていきたいと思います。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。