参加することが回復への第一歩(大阪・大阪(堺))

令和7年11月24日(月)、大阪私学会館で「ギャンブル依存症セミナー&家族相談会IN大阪」が開催されました。

はじめに、一般社団法人ギャンブル依存症家族の会大阪に所属する、ギャンブル依存症の夫を持つ妻の立場の方の体験談がありました。次に、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会当事者支援部の当事者から、ギャンブル依存症になるまでの経緯や心の葛藤について話がありました。ギャンブル依存症は進行性の病気であるため、脳が合理的な判断ができなくなり、ギャンブルをやめたくてもやめられなくなる苦しみが切実に伝わってくる内容でした。

関西医科大学医学部精神神経科学講座の池田講師から、「ギャンブル依存症は本人の意思の弱さではなく、脳の病気である。」、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会の代表田中紀子氏からは「ギャンブル依存症は本人の意思や家族からの説教や金銭管理では解決しない。家族や当事者だけで抱え込む問題ではない。」という説明がありました。ギャンブルで苦しんでいる問題を「隠す」「抱え込む」という孤独な状態から、家族も当事者もお互いに相談しあえる場所に繋がれば、そこから回復が始まっていくという話に希望を感じました。私自身、当会に参加して自分の抱えていた苦しさを誰かに話すことで楽になりました。

私は結婚生活中に夫がギャンブルをしていることを知らず、1年前、突然ギャンブルの問題に巻き込まれました。夫からギャンブルによって出来た借金がある、さらに子どものお年玉まで競馬に費やしていたことを告白されました。誠実で穏やかな夫との幸せだと思っていた結婚生活が、実は嘘で覆われていたのかという怒り、すぐにでも離婚した方が良いのかという迷い、そして当時3歳の子供をどうやって育てていくのかという不安を、誰に相談したらよいのがわからず虚勢を張り続け苦しい日々を過ごしました。

そんな中、この会に参加し、同じ経験をした妻の立場の方々に話を聞いてもらえたことで、肩の荷が下りたような暖かい気持ちになりました。「夫がついた嘘は本人の性格によるものではなく、病気の症状でそうなってしまっただけ。」「離婚の問題などは、すぐに白黒つけなくて良い。お互いに回復していく道がある。」と暖かい言葉で励まされ、連絡先を交換してもらえた時の安心感は今でも忘れられません。

現在、夫とは別居をしていますが、週末は子どもを預けたりと、お互いに協力しあえる関係になりました。これは当会のメンバーが経験に基づいた一人ひとりに合ったアドバイスをくれ、不安や悩みに寄り添いながら共に歩んでくれたおかげです。だからこそ、家族は家族の会に参加することが、回復への最初の一歩であると、今回もあらためて実感しました。

次回は、12月21日(日)14時から一般社団法人グレイス・ロードと一般社団法人ギャンブル依存症家族の会大阪の合同で「ギャンブル依存症セミナーIN大阪」と「家族の会」がエル・おおさかで開催されます。ギャンブル依存症は回復できる病気です。そのためには、まず家族が正しい理解を持つことが大きな一歩となります。ぜひ、ご参加ください。

大阪府在住 安部