11月30日(日)、福岡県中小企業振興センターにおいて、福岡県こころの健康づくり推進室主催の「福岡県ギャンブル等依存症講演会」が開催されました。本講演会は、福岡県から一般社団法人ギャンブル依存症家族の会福岡が事業委託を受けて実施されたものです。
講演会では、当事者・家族の体験談から始まり、福岡県立精神医療センター太宰府病院の宇佐美貴士先生のご講演、そしてパネルディスカッションでは、宇佐美貴士先生、福岡県精神保健福祉センター相談課担当者様、当会代表・村田が登壇し、ギャンブル等依存症の現状や支援の課題、今後の対策について意見交換が行われました。
当事者の体験談では、ギャンブルを続けながらも「自分でやめられる」と思い込んでしまい、気づけば自分ではコントロールできない状態に陥ってしまうという実情が語られました。そして、回復には当事者同士がつながり、支え合える関係を持つことが何より大切であると、改めて知ることが出来ました。
家族の体験談では、家族が当事者を“愛情を持って手放す”対応へとシフトし、自分自身の行動を変えながら、当会の支援を受けて回復に繋げていったというお話が印象的でした。行動を変えることの大切さ、そして正しい対応が持つ力を学ぶことができました。また、当会・地域の病院・当事者支援部のピアサポート、それぞれが力を発揮し支え合うことで生まれる支援の大きさを、話を聞きながら強く感じました。
宇佐美先生のご講演では、依存症についてとても分かりやすく学ぶことができ、依存症になってからの病気との向き合い方、そして生きづらさやさまざまな要因が依存症につながるという視点も教えていただきました。丁寧で理解しやすいお話で、家族も当事者も孤独になりがちな中、回復には“つながること”が大切であるとあらためて再認識する時間となりました。
パネルディスカッションでは、ギャンブル依存症の若年化という深刻な現状や、今後の対応・啓発・予防教育について意見交換が行われました。お話を伺い、この問題の重大さを改めて感じるとともに、少しでも現状への理解が広まり、より多くの人が依存症について知る機会が増えて欲しいと強く思いました。
これからも、医療・行政・当会・当事者支援部が手を取り合い、依存症への理解を広げながら、ひとりでも多くの人を支えられるよう連携して活動していきたいと思います。
福岡県在住 古瀬


