ギャンブル依存症セミナーin大阪 知る・繋がる・行動する大切さ

12月10日(日)NLC新御堂ビルにて、ギャンブル等依存症セミナーin大阪が開催されました。今回は150名以上のたくさんの方が各地から参加され、ギャンブル依存症に関心を持たれている人の多さを感じました。

初めに全国ギャンブル依存症家族の会大阪のメンバーと、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会当事者支援部のメンバーの体験談をそれぞれ聞きました。お二方が、想像するだけでも辛い状況を乗り越えてこられたのをひしひしと感じました。どちらも当会や当事者の会に繋がり、同じような経験をしたメンバーを信じ、自身の行動を変えたことによって状況が良くなったという背景がありました。体験談を聞いて、この先困難があっても支えてくれるメンバーと乗り越えていけると強く感じました。

次に、ねや川サナトリウム理事長院長である長尾喜一郎医師の講演がありました。ギャンブル依存症基礎知識と現状と題して、ギャンブル依存症は病気であり、回復が可能であることや、オンライン上でのギャンブル依存症者が増加し続けていることをグラフを使って詳しく話してくださいました。

そして、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会代表 田中紀子氏の講演がありました。セミナーにはギャンブル依存症の家族だけでなく当事者も参加していたということで、回復施設、自助グループ、病院に繋がってそれぞれが回復し続けているメンバーの紹介がありました。

「回復」といっても様々なパターンがあります。一人一人の状況に合った最適な道筋を立てサポートできるのは、当会や当事者の会ではないでしょうか。否認の病といわれるギャンブル依存症は、簡単に回復を目指せるものではありませんが、回復し続けている彼らの姿は希望でもあります。

大阪では今、国内初のカジノを含む統合型リゾート(IR)の開業に向け準備が進められています。カジノへの入場制限などを厳格化するとのことですが、間違いなくギャンブルにのめり込む人が増え、カジノに行かなくとも簡単にスマートフォンでできるオンラインカジノへと流れてしまうと危惧されています。すでに、コロナ禍でオンラインを使ったギャンブルの利用者が増加しています。さらにギャンブル依存症に罹る人を増やさないためにも、オンラインカジノやその広告の規制をと田中氏は訴えています。

また、ギャンブル依存症は脳の病気といわれ、見た目で分かる訳でもなく、家族が病気だと気づくことが遅くなってしまうこともあります。より病気に対する理解が世の中に浸透しなければならないと感じました。

大阪ではこれらの現状を踏まえて当会の大切さや、今後病院や関連施設などの連携がさらに必要だということを学びました。今もなおギャンブルや借金の問題に悩んでいる人が参加されるよう、積極的に活動に参加し続けたいと思いました。

大阪府在住 依田