多くを経験した仲間たちとのつながりが回復への第一歩(北海道)

5月25日(土)、ちえりあ札幌市生涯学習障害センターにて『全国ギャンブル依存症家族の会北海道』のギャンブル依存症啓発週間特別セミナーが開催されました。

ギャンブル依存に関する相談が道内で急増している記事が新聞に掲載されたこともあり、想像を超える数の参加者が集まりました。

医療法人北仁会 旭山病院の医師 姫野大作先生による講演では、ギャンブル依存症という病気への理解を深めるための説明が行われ、参加者たちは真剣に聞き入っていました。

続いて体験談が行われ、一人目は公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会当事者支援部のメンバーである鈴木康之さんが登場しました。最初は趣味の一つとしてギャンブルを楽しんでいたものの、気づいたときには深みにはまり、親に借金の肩代わりをしてもらっても、自分が病気だとは認められなかったことなどを語っていました。ギャンブラーである私自身の息子と重なり、とくに回復の過程に話が及ぶとその一言一言が胸に染みわたりました。

二人目は、全国ギャンブル依存症の会東京で活動を続ける伊藤あゆみさんのお話でした。夫の借金が発覚した当初は「互いに助け合わなければ」と夫の尻ぬぐいをしてきた伊藤さんも、あるとき間違いに気づき、家族会とつながることができたといいます。同じ経験をしてきた仲間から多くの情報を得て、それを役立てることができたことが、夫婦ともに回復の道へ進んだ理由だと教えてくださいました。

最後に今回のトピックでは、関東で一人暮らしをする20代の当事者が、当会メンバーたちの手によって、スムーズに病院へ入院することができた事例が発表され、全国ギャンブル依存症家族の会による伴奏支援の底力を実感しました。 さまざまな話を聞き、当事者、家族ともに正しい知識、対応法があることを知り、今悩んでいる方々も先行く仲間たちの力を借り、一歩前進することを願う気持ちがより強くなりました。

次回、6月8日(土)ちえりあ札幌市生涯学習障害センターで開催予定です。ぜひご参加ください。

北海道在住 渡辺