大阪府のギャンブル依存症対策はこのままでいいのか? シンポジウムに参加して(大阪)

5月11日(土)大阪市立こども文化センターにて、ギャンブル等依存症問題啓発月間特別シンポジウムが開催されました。

約200名参加し、シンポジウムの様子を地元テレビのほか、新聞社による取材がありました。

第一部は、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会代表 田中紀子氏を講師として迎え「最近のギャンブル問題の傾向~オンラインカジノやスポーツベットを中心に」と題し講演がありました。コロナ禍以降オンラインカジノ、公営ギャンブルのオンライン化が広まっていることや、依存症者の若年化や重症化が進んでいる現状を語られました。

第二部は、ファシリエーターに田中紀子氏、府議会の各会派から計6人の議員がパネリストで参加し、2030年秋頃にカジノを中心に総合型リゾート(IR)の開業を掲げる大阪府のギャンブル依存症対策について「2023年度重点項目達成率は本当なのか?」と問い、府は重点施策12の指標をすべてクリアしているとしているが、実際どうなのか?当会大阪のメンバーで調べ上げたデータを提示し、意見を交わしました。

重点施策の目標値が低く計画の見直しが必要であることや、依存症についての相談体制の強化が必要であること、特に若年層への啓発、予防教育の重要性であるがギャンブル依存症対策費が少ないことなどは参加された議員の方々も認識されていて、行政だけでは限界があり民間団体と連携を強めたいとの意見もあがりました。

シンポジウムに参加して、「大阪IRはオンラインカジノを始めるゲートウェイになる可能性もある」と、田中紀子氏の講演で指摘されていたように、公営ギャンブルのオンライン化やIRが始動し、依存症対策を講じなければ依存症者は増えることが懸念されます。私達自身、危機感をもっと持ち、今回参加された府議の皆様や各機関と連携を深めて、大阪のギャンブル依存症対策を強化していくにはどうしたらいいのか考え、啓発活動をしていく必要性を強く感じました。

大阪府在住      阪元紀子