「私だけじゃない」と気づく場所(東京)

5月11日(土)江戸川区のタワーホール船堀にて、2024年ギャンブル等依存症問題啓発週間特別セミナーが公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会との共催により開催されました。

松江仁美弁護士の講演から始まり、当事者の体験談、家族の体験談、最後に当会メンバーより今年のトピックの発表がありました。松江弁護士による夫婦のギャンブル問題を法の側面から考えた講演は、夫がギャンブル依存症である私にとって多くの学びがありました。

また、当会の藤原さんの体験談を聞き、借金に生活が脅かされる恐怖や、好きだった夫が悪い人になってしまったという気持ちに共感しました。

私の夫は、ギャンブルで借金を作りました。考えたくなくても、いつも夫の借金問題が頭から離れず、誰にも話せないことが苦しかったです。ネット上で匿名で相談をしたり、本や動画で情報を探ったりする中で、当会を見つけ参加しました。

最初は、初対面の人達にこんなことを話していいのだろうか?と不安でしたが、その場にいる全員が同じように家族のギャンブルの問題を抱えていると分かり、ここにいれば大丈夫と思うようになりました。正直に話す場所が出来たことで、心からほっとしたのを覚えています。

公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会当事者支援部の中江さんの体験談を聞き、当事者が回復していくためには、本人だけでなく、家族も正しい知識や対応方法を学び、行動を変えることが大切なのだと改めて感じました。

私はこの会で学んでいく中で、夫は脳の病気なのだと理解し、メンバーからたくさんのアドバイスをもらいながら行動を変えていきました。

ありがたかったのは、引越しの際に家まで出向き様子を見に来てくれたり、行政機関へ同行してくれたりと、豊富な経験と知識のある心強いメンバー達が手厚いサポートをしてくれたことです。お陰で、一人では難しいと思うようなことも行動に移すことが出来ました。今では、こちらの会に参加する前の自分には想像も出来ないような、前向きな気持ちで日々を過ごせています。

当会には、同じ問題を持つメンバーの数だけ、ギャンブル依存症に関する経験と解決策があります。誰にも言えず不安の中一人で苦しんでいる人に、是非足を運んでいただき、ここには希望があるということを知ってもらいたいです。

様々な事件やオンラインカジノの普及でギャンブル依存症が注目される中、この病気を正しく知ってもらえるように啓発活動に取り組んでいきたいと思います。次回は6月22日(土)13:30〜16:00 東京体育館(第一会議室)にて、当事者の会も同時開催で行われます。

 

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