ギャンブル依存症の家族になって気づいたこと(岐阜)

3月30日(日)に岐阜市内のハートフルスクエアGにて、ギャンブル依存症からの回復施設である一般社団法人グレイス・ロードの主催の「ギャンブル依存症セミナー岐阜」が開催されました。

グレイス・ロード 甲斐サポートセンター職員の濱田光さんが「ギャンブル依存症への理解」と題しお話しをされました。ご本人もギャンブル依存症の当事者であり、回復に必要なこと、「大切なものを手放す」ことであり、「手放さないと新しいものを手に入れられない」と説明され、心に響きました。
ギャンブル依存症の息子を持つ私は、「手放す」ことの意味を理解した時が私の白旗を上げた瞬間でした。当事者も家族も回復への過程は同じであると改めて認識すると共に、当会に参加し始めて間もない私にとっては、とても納得のいくものでした。

次に全国ギャンブル依存症家族の会 岐阜の田口朱美さんより「ギャンブル依存症が『病気』と知って」と題し妻の立場から、お話がありました。家族は「他人の問題解決に一生懸命で、自分の問題に向き合えていなかったことに気づいた」とお話しされ、共感しました。

その後、公益社団法人 ギャンブル依存症を考える会 当事者支援部の出口貴章さんより「再発からの気づき」と題し、当事者の立場からお話しされました。ギャンブル依存症からの回復施設に入所しギャンブルをやめ続けていたが、仕事の忙しさから自助グループに行かなくなったことで、「病気と二人きり」になり再発したと話されました。この病気は一生向き合うものなのだと改めて感じました。
「当事者からの恨みは、家族は気にしなくてよい」「人生終わったと思った時が始まりだった」との言葉に、依存症者の母の立場として救われた思いがしました。また、回復とは「自分を知って、自分で歩いていくこと」という言葉に、これは当事者や当事者家族だけの課題ではなく、どんな人にも共通した「人として生きていくための課題」なのではないかと思いました。

最後に、複数のグループに分かれ、初めて参加された方を中心に現在の状況や困りごとを聞きました。他のメンバーの体験や知識をもとに、対処方法を話し合いました。
私は長い間、借金の肩代わり、説教、泣き脅しなど病気を悪化させる行動をとってきました。それが母としての役割であり愛情であると思っていました。息子はまだ、回復の一歩を歩み出していませんが、私は当会に参加して、メンバーからギャンブル依存症という病気に対する正しい対処方法を学び、ようやく前を向いて歩きだしています。

初めの一歩はとても勇気のいることです。でもその一歩がとても大きな一歩になるのです。一人で悩まず、是非当会へ足を運んでください。ご参加をお待ちしています。

岐阜県在住 五十嵐