仲間と共に生き直す(北陸三県合同セミナー・当事者支援部)

5/17(土)、石川県金沢市のフレンドパーク石川にて、ギャンブル依存症家族会及び当事者会が開催されました。5/14〜5/20 のギャンブル等依存症問題啓発週間にあわせて、北陸三県合同開催の特別セミナーを実施し、大勢の家族や当事者、関係者に参加いただきました。

当事者の体験談として舟根が、家族の体験談として中島さんが講演し、ギャンブル依存症という病気を抱えた当事者側、家族側の経験や想いを打ち明けました。その後、石川県立こころの病院、医長の山下先生が医学的な立場から見たギャンブル障害について講演し、当会の代表、田中氏がギャンブル依存症について統計から見た現状について語りました。

体験談の中で、当事者である私がギャンブルをやっている際、借金問題やギャンブルをしていること自体に後ろめたさを感じて孤独であったように、家族も相談する先がわからず苦しんで孤立していたことを再認識しました。また、山下先生が講演の中で、臨床の立場からできるサポートにも限界があり、同じ経験をもつ当事者や周りの家族の支えがあってこそ依存症から立ち直ることができることを話しており、より一層、当事者と家族で連携し合いながらサポート活動を進めていかなければと感じました。そして、田中代表が講義の中で、オンラインカジノやネット投票など、特に若者をターゲットにしたギャンブル誘導手口が蔓延る現状を話されていた中で、私も 25 歳の時にネットサーフィン中に広告バナーにつられてネット競輪投票とオンラインカジノに出会っていることを思い出し、同じように苦しむ当事者を増やさないためにも公営ギャンブルのあり方や賭博に関する法案について、改めて実情に沿ったものなのかを見直すべきだと強く感じました。

その後、別室に移動し当事者会を実施して、初参加 5 名、継続参加 3 名、支援部 3 名の11 名にて各々の現状や悩みについて分かち合いました。ギャンブルをやめていると買い物やその他のアディクションに頼りたくなること、仕事や子育てが忙しい中でも自身の問題に向き合っていることなどについて話をし、一人で抱え込まないためにもミーティングや仲間との繋がりが大切であることを共感し合いました。

今回は北陸三県合同セミナーでしたが、セミナーに参加した 11 名の内訳は、石川県 8 名、福井県 3 名であり、富山県の参加者はいなかったため、さらに家族会および当事者会の活動を周知していく必要があると感じました。北陸地方では、近年、富山県をや福井県にも家族会が発足されましたが、どうしても当事者がミーティングに繋がりにくい現状であるため、当事者支援部で行っている Zoom ミーティングの活用や LINE での相談対応など、地方ならではの問題を解決するツールの活用が必要なように思います。未だ苦しむ強迫的ギャンブラーおよび、それに振り回されている家族を救うためにも、さらに仲間の輪を広げていきたいです。生き直す機会を与えられた私。誰かを救うその活動が、自分を救うことになると信じて、これからも今日一日を大切にしながら、仲間と共に歩んでいこうと思います。

次回の「家族の会・当事者の会 石川」は、6 月 21 日(土)、野々市の市交遊舎にて開催されます。

一人で悩んでいても苦しみから逃れられず、さらに悪い方向へと考えが進むばかりです。ギャンブルの問題で苦しんでいる家族および当事者の参加をお待ちしています。仲間との出会いが、あなたが生き直す、糧となりますように。

公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 当事者支援部 舟根