家族の正しい対応が回復への鍵 (山口)

6月14日(土) 海峡メッセ下関にて、令和7年度厚生労働省 依存症民間団体支援事業 全国ギャンブル依存症家族の会山口が開催されました。

はじめに、家族の体験談として、全国ギャンブル依存症家族の会 大阪のメンバーによる家族の体験談を聞き、続いて、公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会当事者支援部のメンバーによる当事者の体験談を聞きました。家族が当事者のために良かれと思ってやっていることが、病気の回復を妨げていること、家族は家族同士、当事者は当事者の中で回復していくのだと改めて感じました。
その後、初めて参加された方を中心に困りごとや悩みを聞きました。個別に具体的な対応の方法を伝えると共に、回復につなげるためには家族会や自助グループに通い続け、家族が対応を学び正しい行動をとれるようにしましょう、とのアドバイスがありました。

私の息子は、ギャンブルをしない生活を1年以上続けていましたが、昨年12月にスリップをしてギャンブルを始めてしまい、現在の生活を何とかしようともがいていました。当会につながるまでの私たちは、息子を助けるためにと思って借金の肩代わりをしたり、金銭管理をしたり、気持ちを入れかえて心機一転やり直すよう説教したりしてきました。しかし、そんなことをしている間は良くなるどころか、ギャンブル依存症を悪化させ、借金は増える一方でした。


その後、当会につながってからは、仲間のアドバイスにより、手を出さず見守る生活を送ってきました。また、家族自身が変わることで当事者の回復を助ける12ステッププログラムに取り組もうと決めて、始めた時、息子が回復施設への入寮を決意するという奇跡的なことが起きました。息子は新たなスタートを切る決意をし、前に向いて歩もうとしていますが、スタート位置に立ったというだけで、当事者も家族もこれからが大切です。ギャンブル依存症というのは脳の病気で、回復への道は険しい病気です。一旦回復につながって仲間の回復へのお手伝いをしていた息子もスリップをして、以前のような生活に戻ってしまうくらい、難治性の病気です。だからこそ、正しい対応の方法を学び、正しい対応ができるように自分自身をかえていく努力をし続けることが必要です。それは、一人でできることではなく、同じ悩みを持つ仲間の中でなければできないことなのです。

多くの方が、自分たちの力で何とかしようと考えておられると思いますが、私達には同じ経験を持つメンバーがたくさんいます。そして、たくさんの経験があり、実績があります。はじめは、わからないことだらけだと思いますが、何回かは経験者の話を聞いたり、自分のしんどい思いを聞いてもらったりしてみましょう。
とりあえず、動いてみませんか。

広島県在住 石見